ってか待って!
もしかしてこの人達全員そっち系の人なの!?
そして、僕が狙われてるって事!?
まっ…まさかね…
「あの…僕、男の人には興味無いんですけど…バレンタインのアレは皆さんが貰えないから僕にたかってるんだと思ってですね…義理って言うのもおこがましい物でですね…まさか男が渡すチョコがそういう意味になるなんて思いもしなくてですね…」
えへへ、と愛想笑いしながら僕が言うと、全員が僕に注目する。
じゃんけんの手は止めないまま。
「でもよ〜、貰ったモンは返さね〜と。」
「そうそう。貰いっぱなしなんて気持ちワルイよネ?」
「団長は常識無いからその分俺が返さないと。解るよな?」
「遠慮すんな、新八。」
「全力で返す、って俺言ったよね?」
「ホワイトデーは10倍返しって決まっちゅう。」
ダメだ!全員引かないィィィ!!
「そんなお返しは要りませんからァァァ!お菓子貰えると僕嬉しいなァァァ!!」
はっきりそう言うと、何故か全員がちょっと頬を染めて自分の股間を指差した。
「「「「「「だから、んまい棒。」」」」」」
声揃えやがった変態共ォォォ!
このまま奴らと一緒に居るのは危険だ!
どうしたら…
「新ちゃん今日は寝坊したの?朝ご飯出来て………何かしら、この人達…?」
たっ…助かったァァァ!
爽やかな笑顔で般若を背負った姉上が、のっそりと部屋に入って来てくれた!!
「たっ…助けて姉上ェェェ!!!」
僕が叫ぶと同時に笑顔のままの姉上が奴らに歩み寄り、一方的な殺戮が始まる。
だから、僕はその隙に着物を持って、そそくさと部屋から逃げだした。
銀さんがアレだから今日は万事屋は休みでも良いんだろうけど、神楽ちゃんがお腹すかしてるだろうし…
僕は支度をして万事屋へ向かう事にした。
すると、門の所で白タキにオールバックで真っ赤なバラの花束を持った近藤さんに会った。
「お、新八君おはよう!お妙さんは居るかな?」
「姉上は今、害虫駆除に勤しんでます。」
「何!?それは俺も手伝わんと!!」
いそいそとウチの中に入っていく近藤さんを僕は止める事は出来なかった。
きっと近藤さんも追加で駆除されてしまうんだろうなぁ…
◆
万事屋に向かう途中、真選組隊士の方達にお菓子を頂いた。
皆さん強面だけど優しいなぁ…僕だけじゃなく、神楽ちゃんの分も有るみたいで『喧嘩しないで食べるんだぞ?』と大きな袋で渡してくれた。
朝から酷い目に遭ったから、その優しさが心に沁みるよ!僕の期待してたホワイトデーはこういうのだよ!!
真選組の好感度、ちょっと上がっちゃった。
感動しながら歩いていると、道端にエリザベス先輩が2人居た。
「新八君、今日はホワイトデイだな。」
『おはよう』
「おはようございます桂さん。」
「なんだか今日は、朝から真選組が多いな…何か事件でも有ったのか?」
『高杉でも出たんじゃないですか?』
「あはは…」
エリザベス先輩鋭い!
桂さんの方は普通に喋っちゃってるよ…完成度低いな。
「そんな事より、今日は新八くんの希望通りに3カ月分と書類を用意したぞ。全く欲張りさんだな、新八君は。我が妻となったあかつきにはそんな我儘許さんからな?俺は亭主関白でいくから。さぁ、コレにサインを…」
当たり前のように僕に結婚指輪と婚姻届を差し出す桂さんに、どう突っ込んだら良いんだろう…
「真選組の皆さーん、ココに桂が居まーす!!」
「居ました!ここです!!」
さっきの感動も有ったんで、僕が大声で叫ぶとすぐに黒い制服の集団が僕らに向かって走ってくる。
「チッ…仕方ない…話は又後だ、待っていてくれ新八君…アデュー!」
奇妙な事を叫びながら恐ろしいスピードで桂さんとエリザベス先輩が走り去る。
えぇぇ…今の突っ込みじゃダメだったのかな…
すぐに黒い集団がやってきて、2人を追って駆け抜けていくと思いきや、その集団は僕を取り囲んで、ついさっき僕が見た一式を差し出して頭を下げた。
「「「「「「「「「「バレンタインチョコ、嬉しかったッス!」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「結婚を前提にお付き合いして下さい!!」」」」」」」」」」
「…はァァァ!?何この集団んんん!?」
全員が頭を下げているんで、隙をついてその囲みから抜け出して距離を取る。
まっ…まさかこの人達全員そっち系の人…?
真選組って男所帯だしやっぱりそういう人多いんだ!怖ェェェ!!
「あのっ!申し訳ないんですけど僕はそういう趣味有りませんので!」
ペコリと頭を下げて走って逃げる。
そりゃぁもう僕に出せる最高のスピードで後ろも振り返らずに一心不乱に。
…なのに…
『お願いしまース!!』
黒い集団が追ってくるゥゥゥ!
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