会いたくて
しばらく近藤さんが江戸に行くことはなくて、おれはイライラしながら待ってた。 でも、ひとりで江戸になんか行けないし、姉上がしんぱいするし、おこずかいもないし…
はやくちっちゃいしんぱちに会いたいよ…
「よーし、今日の稽古はこれで終わりだ!スマンが明日から暫く江戸の方に行かなきゃならなくなった。各自で稽古していてくれ!」
しゃーす!!
やった!
やっと近藤さんが江戸に行くんだ!!なんとかたのんでつれていってもらおう!
「近藤さん!あしたから江戸の道場に行くんだろ?おれも行って江戸のれべるをしりたいよ!!」
おれが近藤さんにかけよってはかまをぎゅっとつかむと、おおきな手でおれの頭をなでてくれる。
われながらへたないいわけだけど、近藤さんはにっこりわらっておれのはなしをきいてくれる。
「お、総悟も行くか?でも、江戸の道場には大人しか居ないぞ?総悟位の子供は居ないんじゃないかな。」
「だいじょうぶだよ!おとなだっておれのあいてにならないかもよ!」
「そうか、頼もしいな総悟。じゃぁ、ちゃんとミツバさんに言ってくるんだぞ?ミツバさんが良い、って言わないと連れて行けないぞ?」
「わかったよ、姉上にちゃんと良いっていってもらう!」
やまざきに明日のばしょとじかんをおそわって、家まで走って帰る。
やった!やっとちっちゃいしんぱちに会える!!
きっと、かわいいんだろうな!おっきくてもあんなにかわいいんだもん!
「ただいま姉上ー!」
おれが家にかけこんで、てあらいとうがいをすませて姉上のところに行くと、うふふ、とわらった姉上がタオルでかおをふいてくれる。
「こんなに急いで帰ってきて…汗びっしょりよ?明日が楽しみなのね?」
「え!?なんでしってるの?ぼくまだなんにもいってないよ?」
おれが姉上にあしたのことを言うまえに、姉上が言う。江戸いきのことだよな?
「さっき近藤さんから電話が有ったのよ?明日は近藤さんと一緒に江戸に行くんでしょう?なんとか連れて行かせてやれないか、って。」
近藤さん…ちちうえみたいだ…
「うん…行っても良い…?」
おれがこっそり姉上のかおをみあげると、姉上がうーん、とかんがえて、にっこりわらった。
「良いわよ。でも、気を付けて行ってくるのよ?近藤さんにも迷惑をかけ無い事!約束出来る?」
「はい!判りました姉上!」
その後姉上といっしょに明日のかいものにいった。
ほんやのちずでこーどーかんへのみちをおさらいする。ここにかえってきてから、なんかいも見ておぼえてるけど、もういっかい!
きょうはたのしみでねれないかも…
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