あかるくなってめがさめたんで、しんぱちのかおをなめておこしてあげる。
あたまをなでてほめてくれるんでうれしい!
しんぱちがぱたぱたとうごきまわってたいへんそうだな…ごはんをしゃかしゃかするのはおれもできそうなのに…おっきくてとどかないや…
ごはんをたべてうとうとしてたら、しんぱちがぱたぱたとはしっていく。
あ、おでかけだ!
おれもうしろについてはしると、しんぱちが、こらっ!といった。

「駄目だよソーゴ!僕は学校なの!!ソーゴは家でお留守番だよ?」

ぐん、ともちあげられてへやにもどされて、とをしめられる…でられないよ…

「にゃぁ!にゃぁ!!」

おれがないてもしんぱちはかえってきてくれない…ちぇっ…
しょーがないんでふかふかのぬのにくるまってねようとしてると、あねうえさんがばたばたとはしってくる。

「遅刻しちゃうっ!」

がらりととをあけてくれるんで、おれもいっしょにそとにでた。
えーと…しんぱちのにおいは…
ふんふんとにおいをかいであるいていくと、しんぱちとおんなじふくのにんげんがいっぱいいるとこにきた。
しんぱち…しんぱちどこかな…?
おおきいおうちのなかにはいって、たくさんしんぱちのにおいがするとこについたら、しんぱちがいた!

「にゃぁにゃにゃ!」

「えっ…ソーゴ!?学校に来ちゃったの!?どうやって…」

しんぱちちょっとおこってる…きちゃだめなの…?

「間に合った!」

「…そうか、姉上か…」

おれがしんぱちのあしにすりよると、だきあげてくれて、こまったあねうえだね?とわらう。

「新八ー!そのコどうしたネ!?」

「あ、神楽ちゃん。うちのソーゴ!可愛いでしょー!!」

しんぱちがおれをだっこして、にんげんのめすにみせる。

「定春の方がオトコマエネ!…でもコイツもなかなかイケテルヨ。」

「もう、神楽ちゃん負け惜しみ!うちのソーゴが定春に負ける訳無いじゃん。もうね、この世で一番可愛いんだから!あ、抱いてみる?」

でれでれのかおで、しんぱちがおれをそのめすにわたす。
じっとみあげると、めすのかおがあかくなった。

「しっ…新八君!僕にも抱かせてくれまいか…?」

「あ、九兵衛さんっ!うちのソーゴ可愛いでしょう〜?どうぞ!」

しんぱちが、ぴんくのめすからくろいめすにおれをうつす。
ふんふんとにおいをかいだら、くろいめすががちがちになった。
そのあともいっぱいめすにだっこされた。めすはやわらかくてきもちいなぁ!
でもやっぱりしんぱちがいちばんだ!いいにおいするもん。
しんぱちのとこにもどってだっこされてると、こんどはくろいおすがやってくる。
あ!こいつ!!おねーちゃんをさらったやつだ!!!

「新八、ソイツ…」

「あ、土方君。可愛いでしょー?うちのソーゴ!」

しんぱちがおれをもちあげて、そいつにみせる。
…おれこいつきらい…
てをだしてきたんで、ぱしっとたたく。

「あー…コイツ覚えてんのかな…家にコイツのねーちゃん居るぞ。」

「えっ!?ソーゴ、お姉ちゃんなんて居たの?」

「2匹捨てられてたんだけどな?家で2匹も飼えねぇから…拾われずらいだろうと思ってメスの方拾ったんだ。そん時コイツ、ねーちゃん守ろうとして頑張ってたからな…俺がねーちゃん攫って行くとでも思ったんだろ。」

…おねーちゃん…こいつにかわれてるんだ…

「エライ美猫でな?一目惚れ、ってやつ?」

くろいおすが、だらっとしたかおになる。
おねーちゃんかわいがってもらってるのかな…

「僕も!僕もソーゴに一目惚れしたんだ!」

「だろ?ヤバイよな、コイツら…まぁ、ウチのミツバの方が可愛いけどな。」

「は?なにいってんの土方君。ソーゴより可愛い訳無いじゃん。ねー?ソーゴ。」

しんぱちもでれっとしてる。
おれもしんぱちだいすき!
ぺろぺろかおをなめたら、くすぐったいよ!ってあたまをなめてくれた。
しんぱちにだっこされてたら、ねむくなってきた…いっぱいあるいたからつかれちゃった…
しんぱちとあそびたくてきたのにな…ねむい………


しんぱちがよぶこえがするんでめをあけたら、おれはあのはこにはいってた…
またすてられちゃうよ!
あわててしんぱちにとびつくと、ぎゅっとだっこしてくれて、せなかをなでてくれる。
すてないで…すてないで…しんぱちがいなくなったらおれいきていけないよ…
ぷるぷるふるえると、はっとしたしんぱちがぎゅうぅぅぅとおれをだきしめる。

「ごめんね!ソーゴこの箱嫌だったよね!怖かったよね!大丈夫、ずっと一緒だからね!」

…しんぱちなきそう…
おれがぺろっとしんぱちのかおをなめたら、しんぱちがわらう。

「なぐさめてくれるの?良い子だね、ソーゴは…大好きだよ?」

はい、っていってしんぱちがふくをひろげるんで、そこにはいると、しんぱちがあるきだす。

「にゃぁ…」

「これからね、皆でゲーセンに行くんだよ?ソーゴにもぬいぐるみとってあげるね!ミツバちゃん猫さんがお気に入りなんだって。」

「にゃぁ!」

ぬいぐるみってなんだろ?
おねーちゃんがすきならきっといいものだ!
すぐにげーせん、ってとこにつくと、そこはすごくうるさくて、おっきなきかいがいっぱいあるとこだった。

「ソーゴどれがいい?やっぱり猫さん?それとも犬さんが良い?兎さんも有るよ?」

しんぱちがはい、ってみせてくれる。
ぬいぐるみってこれか…あ…あれ…しんぱちににてる!

「アノ黒いのが、ミツバのお気に入りだぜ?」

「黒猫?あはは、土方君に似てるね!」

あれがねこか…かたちはおねーちゃんににてるな…

「アノウサギ、新八に似てるネ!」

ぴんくのがいったらしんぱちがふくれた。にてるのに…

「えー?眼鏡ってだけじゃん。」

「にゃぁぁぁ!」

おれがそいつのまえをぺしぺしとたたくと、しんぱちがえっ?という。

「ほら、コイツも似てるってよ。」

くろいのがにや、ってわらう。

「コイツ、チビのくせにちゃんと分かってるネ。」

ぴんくのもにやってわらう。

「…ソーゴこれが良いの?」

「にゃぁ。」

しんぱちが、うれしそうにぎんいろのまるいのをだしてきかいにいれる。

「じゃぁ、すぐにとってあげるから見ててよ?」

おれがじっとみてると、うさぎがうかんでおちる。

「あれ…?」

もういっかいしんぱちがぎんいろのいれて、うさぎをつかもうとするけど、おちた。

「えー?結構難しい!?」

「ワタシがヤルネ!」

しんぱちをよけて、ぴんくのがぎんいろのをいれてきかいをうごかす。
うさぎじゃなくて、いぬがとれた。

「…定春のオモチャにするネ…」

「俺に代われ。」

くろいのがきかいをうごかすと、うさぎがおちてきた。

「ほら。」

「…なんか悔しいけど…ありがと、土方君…」

しんぱちがにこりとわらうとくろいのがあかくなる…
やっぱりくろいのきらい。

「ほら、ソーゴ兎さんだよー?」

しんぱちがちっちゃいしんぱちをくれるんで、ぺろりとなめるとそいつはもこもこしてた。
おれをしんぱちがだっこして、おれがちっちゃいしんぱちをだっこしてうちにかえる。
おれがおおきかったらあのくろいのになんかまけないのに!
おれがいっかいでちっちゃいしんぱちをとってあげたのに!
はやくおっきくなりたいな…

そとをみると、おおきなまんげつ。
おつきさま、おつきさま、はやくおれをおおきくしてください。
おおきくなったら、おれしんぱちのおてつだい、いっぱいするんだ!
ごはんのしたくのしゃかしゃかとか、おふろでもしんぱちをあらってあげるんだ!
いっぱいぎゅってしてあげるんだ!おれ、しんぱちにぎゅってされるのすきだもん、きっとしんぱちもすきだよ!
おつきさま、おねがいです。
おれ、しんぱちのやくにたちたいよ…