つぎのひ、めがさめたらなんだかからだがへんだった。
てがつるつるしてる…しんぱちがちいさくなってる…?
あしもつるつるだ…あれ?ぜんぶつるつるだ。なんか、にんげんみたいだ…?
おれ、おおきくなった!しんぱちのおてつだいできる!!
よし、しんぱちおこすぞ!

「しんぱち!しんぱち!あさだよ!」

いっつもみたいにかおをなめるけど、なんかなめずらいなぁ…
うふふ、とわらってしんぱちがおきる。

「おはよー、ソー…ってあんた誰だァァァァァァァ!?」

しんぱちが、すごいいきおいでとおくにいく…なんで…?

「おれだよ!ソーゴだよ!おつきさまにおねがいしたらおおきくなったんだ!だいすきなしんぱちのおてつだい、いっぱいできるよ!」

おれがにこにこわらってちかよると、しんぱちがまっかになる。

「何言ってんですかっ!ウチのソーゴは、ちっちゃくてふかふかで可愛くてっ!大体猫ですからっ!ソーゴはっ!!」

とおくからしんぱちがおれをにらんでくる…
なんかかなしくなってきた…せっかくおっきくなったのに…

「…おっきくなって…おてつだいしたかったのに…しんぱちつかれてるから…おれ、おてつだいしたかったのに…」

ちっちゃいしんぱちをだっこしてふとんにくるまる。
おれ、おっきくなったから…にんげんみたいになったからしんぱちわかってくれない…
ねこのままおっきくなりたかった…
おれがそうおもうと、みみがのびた。あ!よくきこえる!

「えっ!?猫耳はえたァァァァっ!?それ…ソーゴと同じ色…って、良く見たら髪の毛も…?それに…僕が怒ったらいっつも…タオルにくるまって…」

とおくにいったしんぱちが、おれのほうにきてかおをちかづける。

「…目の色もソーゴと同じ…ソーゴなの…?ホントにソーゴなの…?」

しんぱちが、じっとおれをみるんでこくりとうなずいたら、ぎゅうとだっこしてくれる。

「ごめんね、ソーゴ…お手伝いしてくれるつもりだったんだね、有難う。でも…まっぱじゃ目のやり場に困るよ…僕の服着てね?」

しんぱちがふくをだして、おれにきせてくれるけど…きゅうくつだなぁ…

「しんぱち、ふくきつい…」

「他に無いから我慢して?ってか僕とあんまり体型変わらないのに、ズボンだけ短いのが何かムカツク…」

「…しんぱちおこった…」

おれがちいさくなると、しんぱちがあははとわらう。

「怒ってなんか無いよ、ちょっとイラッとしただけ。それにしても…ソーゴ人間になっても綺麗だねー?」

にこにこわらってなでてくれるんで、しんぱちにぎゅってしてかおをなめたらたたかれた。

「そっ…その姿で舐めない!しっ…心臓が爆発しちゃうよっ!」

「たいへん!しんぱちこわれちゃう!もうなめない!!」

しんぱちとてをつないでちゃのまにいったら、あねうえさんがいた。
すごくこわいかおでおれをみてる…ちゃんとおはよういわなかったからだ!

「あねうえさん、おはよう!」

いつもみたいにすりよろうとしたら、しんぱちにひっぱられた。
おれのまえをすごいいきおいであねうえさんのてがとおりすぎてった…あんなのあたったらしんじゃうよ!
こわくってしんぱちにぎゅうとだきつくと、しんぱちがよしよし、とあたまをなでてくれる。

「…貴方どなた…?新ちゃん?あやしい男から離れなさい?」

「姉上!信じられないかと思いますが、この子ソーゴです!」

「はぁ?」

あねうえさんが、へんなかおをする。

「あねうえさん、おれそーごだよ?しんぱちのおてつだいするのにおっきくなったんだ!」

もういっかいあねうえさんのほうにいくと、あねうえさんがじっとおれをみる。

「おれだよ、そーごだよ?いっつもなでなでして…」

おれがいったらあねうえさんがおれのくちをふさぐ。

「猫ちゃんを撫でてたのは内緒なのに…貴方知ってるなんて…本当に猫ちゃんなの…?」

「うん!おれそーご!!」

うれしくなってかおをなめようとしたら、ぐいっとおされる…なんで…?

「ほら、新ちゃんご飯の支度をしに行ったわよ?お手伝い良いの?」

「あ!しんぱち、おれしゃかしゃかするー!」

おれがだいどころにはしっていってぎゅってすると、しんぱちがわらう。

「しゃかしゃか?…お米とぐのかな…?でもそれもう終わったから…ご飯炊きあがったら混ぜてくれる?」

「うん!」

おかまのまえでじっとまってると、しばらくしたらぴーぴーとおとがする。

「しんぱち!ぴーぴーいった!」

「炊きあがったね。はい、おヘラ。」

しんぱちがしろいのをくれるんで、おかまをあけたら、べつのしろいのがおそってきた!あつい!!

「にゃぁーっ!!!!!」

「えっ!?どうしたのソーゴ!?」

おれがなきそうになってしんぱちをみたら、しんぱちがあはは、とわらった。

「湯気を被っちゃったんだね…熱かったねー?顔真っ赤だよ?」

「おかまがおそってきた…あついよ、しんぱちなめて?」

「いやいや、舐めないから。」

「しんぱちもまっか!おかまにおそわれた?」

「なんかヤな言い方だなぁ、ソレ…ってコラっ!くすぐったいよ!舐めないの!!」

「ひんふぁひまらあきゃい…」

いっしょうけんめいなめると、しんぱちがぐったりしておれのくちをなめてくれた。
くちはあつくないのにな…?

「何をしているのかしら?」

あねうえさんがおれのくびをつかんでぐい、とひっぱる。
そのままずるずるとひっぱられて、いまにつれていかれる…

「猫ちゃんは新ちゃんの邪魔になるから、こっちでテレビ見てなさい。遅刻しちゃうわ。」

てれびのまえにすわらされて、あねうえさんがだいどころにいく。

ごはんをたべて、しんぱちとあねうえさんががっこうにいくんで、おれもいっしょにいこうとしたら、しんぱちがだめっていった。
てれびでちゃんとにんげんのべんきょうしなさいって…
ちぇ。
いっぱいてれびみたんでねむくなった。
たおるにくるまって、まるくなってねる。
もうにんげんのべんきょういっぱいしたもん。あしたはいっしょにがっこうにいくぞ!