何とか海に着いて、とりあえず宿に向かう。
2部屋予約入れてあるって…アレだよね?姉上と僕だよね?姉上と近藤君なんて事は…無いよね…
「さ、新八ィ。俺らはこっちですぜ?」
総悟君が僕の手を引いて部屋に入ろうとする。えっ…!?
「ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!何で僕が総悟君と同部屋なんですかっ!?普通僕と姉上でしょうがぁぁぁぁぁぁ!!」
僕が総悟君の手を振り払って姉上の手を取る。
と、困った顔で近藤君が笑う。
「イヤ、新八君。俺も君らと同じ部屋だから。いくら姉弟とはいえ、妙さんと君が同部屋、って訳にはいかんだろう?」
…あ、そう言う事か…僕の早とちり…?恥ずかしい…
「すっ…すみません…!!」
僕が顔を赤くしてペコリと謝ると、近藤君と姉上があはは、と笑ってくれる。
と、にやり、と笑った総悟君が、僕に囁く。
「新八は俺と2人っきりの方が良かったかぃ?エロいねぇ、何シたかったんで?」
「そんな訳ありませんっ!!姉上が心配なだけですっ!!!」
僕が顔を赤くして叫ぶと、総悟君のニヤニヤ笑いが深くなる。
「そりゃぁ残念。俺ァ2人っきりの方が良かったんですがねぃ…」
うぅっ…そりゃぁ僕だって、2人っきりの方が…良い…けどさ……
僕が総悟君の手をぎゅっ、と握ると、総悟君も握り返してくれる。
えへへ…嬉し…
ずばん!!
僕らが幸せな気分になっていると、その間に姉上が入ってくる。
「じゃぁ、早速海に行きましょう?私たちの邪魔ばっかりしてるクセに、自分だけ幸せに浸ろうとしないでね?新ちゃん?」
…最後の方は僕だけに聞こえるように声を潜めてたけど…姉上、怖いです…笑顔が怖いです…すんまっせん…もう邪魔しません…
早速水着を持って、海へとくりだす。
姉上が着替えている間にビニールシートをひいたり、借りてきたパラソルを立てて折りたたみ椅子を置いたりして場所を作ってしまう。
その内、昨日買ってきた真新しい水着に着替えた姉上が、モジモジしながら現れる。
あぁ、ソレにしたのか…キレイな水色の、フリルのついたワンピース。昨日散々ファッションショー見せられたもんなぁ…
「妙さん、美しいです!まるで海辺に現れた、人魚姫のようですっ!!」
近藤君が真っ赤な顔で大絶賛しながら、姉上の手を引いて売店に行く。
姉上も、恥ずかしそうな、嬉しそうな顔でニコニコ笑っている…邪魔しちゃ悪いよね…
「総悟君、僕らは泳ぎに…って、寝てんのかよ!?」
僕がちょっと笑いながら振り向くと、総悟君はいつものムカつくアイマスクを付けて、昼寝の体勢に入ってた…
「んー…新八泳いできなせぇ…俺ァここで荷物の番してまさぁ…」
「アンタ何しに海に来てんだ!!」
僕が突っ込んでもどこ吹く風。すっかり寝の体勢に入りやがったよっ…1人で泳いできたって…楽しくないよ…
仕方ないんで、買ってきてあったジュースを飲みながら、だらだらする。
グーグーと思いっきり寝込んでる総悟君を横目に見ると、見惚れなせぇとか言えるぐらいの筋肉が上下している。
…確かに僕より筋肉付いてるよなぁ…でも、僕だってこの夏休みにずいぶん鍛えて筋肉付いたんだからなっ!
むぅ、としながら腕に力を入れて、力こぶを作ってみたりする。
「ぷっ…くくくくくくくくく…」
「ちょっ、総悟君っ!起きてんのっ!?何だよ、僕だってケッコウ筋肉付いてるんだからなっ!」
総悟君が起き上がると、僕のジュースをズルズルとすすって手を握る。
「イヤ、本当に俺の胸板に見惚れてくれるとはねぇ…可愛くってな…」
まだくつくつと笑いながら、頬にちゅっとキスをする。
「2人が帰ってきたら、遊びに行きやしょうぜ?」
ニコリとキレイな笑顔を向けられると、だまって頷くしかないじゃん…
少しして、近藤君達が帰ってきたんで、2人で泳ぎに行く。
何故か、競泳になって、力の限り泳ぐことになったけど…でも、楽しかった!こんなにゆっくり遊んだのは久し振りだったし、ゆっくり話せたのも久し振りだったから。ここの所、ホントに稽古しかしてなかったんだなぁ…
日暮れまで遊んで、夕日が沈むのを見て、宿に帰った。
海に夕日が沈んでいく様は雄大で、綺麗で…こんな景色を一緒に見れるなんて…ホント、良い想い出になったよね…?
「来年は2人で見にきやしょうぜ?」
なんて言われたら、嬉しくて舞い上がっちゃうよ………
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