もどかしさも2回目まで
人間、やっぱアレだな。
払うべきモノは払わなきゃいけねぇもんだな。
ちょっと源外のじーさんのスクーターの修理代を踏み倒そうとした俺は、とんでもねぇトラブルに巻き込まれちまった。
その上厄介なモンまで押しつけられて…
俺は今、快速星から来た天人と一緒に飛脚の仕事をさせられている。
走って無いと死ぬ、とか脅されて、俺は直ったばかりのスクーターにその天人…のり子ちゃんを乗せて、彼女が届ける筈の荷物を投げつけながら配達している。
…コレ、配達って言うのか…?ほとんどテロ行為だろ…?
まぁ、なんか有っても俺のせいじゃ無いし?
この女がやってる事だし?
止まったら死ぬっていうんだもん、仕方無いだろ?
そう言い訳しながらもスクーターを走らせてると、スピード出し過ぎてるのかパトカーが俺達を追って来る。
やっべ、こんな所で捕まったら又金むしり取られる…ここは俺は被害者だってアピっとかなきゃな!
「イヤ、この子走って無いと死ぬんだって!」
「そんな訳有るかィ…って旦那じゃねェですかィ。」
運が良かったのか悪かったのか、俺を追って来てたのは沖田君だった。珍しい事も有るもんだ、コイツが真面目に仕事してるなんて…
…って何だそのツラ…
色男が台無し、ってぐらい、目の下にくっきりとクマが出来て、すっかり目が死んでんじゃん。俺もドン引くぐらい。
原因は…新八なんだろうね〜
「…オメーもヒデェツラしてんな…そろそろ新八と仲直りしろ〜?アイツもずっと泣き腫らした目ぇしてて鬱陶しいんだよ。」
イヤそうに俺が言ってやると、一瞬嬉しそうにした沖田君が、すぐに表情を曇らせる。
「旦那ァ…アンタはデート中だからそんな能天気な事言えるんでさァ…新八くんは、もう俺の事なんざ忘れたがってる、って近藤さん回収に行った土方の野郎が…」
「イヤイヤ、デートじゃ無いし!って沖田君のくせに何マヨラーに騙されてんの!?あんのマヨ…余計な事言いやがって…とにかく!アドバイスしてやったんだから助けてくんない?なんかこの子走って無いと死ぬとか…」
大体、こういうのは警察の仕事だろ?
困った天人を保護するとかさ〜?
俺は、折角だから、真選組にこの面倒を押しつけようと決めた。
ってか引き取れコノヤロ〜!
「とにかくさ〜、沖田君いっぺん新八とちゃんと話してくれや。な?鬱陶しいんだよアイツ。」
「…なんで俺が…それに新八くんが嫌だって言いまさァ…それより旦那、飛脚デートも結構なんですがねィ…」
…この意地っ張りめ…
こういう時は折れたって負けじゃね〜っての!
俺の話なんか全部無視して、沖田君は今流行りの飛脚テロの話をして何処かに行っちまった…
ってか…
「…のり子ちゃん、その最後の届け物って宛て先は…」
「大使館ですね。」
やっぱりかァァァァ!
やっぱり巻き込まれてんのかよ俺!?
そんな気はしたんだよね!
止まろうとする俺と止めないようにする天人の闘いで、まずブレーキが折れた。
その後救いの手と思った源外のじーさんの無線の通りにしたら、ロケットブースターが発動した。
渋滞にツッコミそうになって、又無線通りにしたら空を飛んだ。
あぁ、助かったと思ったら、俺のスクーターにはその改造は荷が重過ぎたらしく、スクーターは爆発した…
ジジィどんだけ俺のスクーター改造するんだよ…
遠い目をしながら空を飛んだ俺は、上手い具合に川に落ちて一命を取り留めたのだった…
そんな俺が目を覚ますと、そこはいつもの大江戸病院で。
ドリフみたいな爆発ヘアーになったまま、入院させられていた。
ソコに何故かドM女がナースになってやってきて、俺に絡んでくる。
いい加減にしてくんね〜かな…嫌な予感しかしないんだけど。
更に隣には、痔の忍者が居て…
…なんかもう、本当に嫌な予感しかしない。
あつあつおでんとか基本的なボケが終わった頃、ミザリーから逃げようとしていた俺たちの所にいつもの奴等が見舞いに来る。
それはタイミング最悪で、優しい俺が厚意で痔の忍者の尻に差されたローソクを抜いてやろうとしている所だった…
「不潔!」
勘違いで駆けだす神楽に追い打ちをかけるように長谷川さんが変なフォローを入れてくれる。
イヤイヤイヤ!そんなフォローいらないから!!
ゾロゾロと帰ろうとする中に、未だ顔色の悪い新八も居た…
っと!沖田君の方だけ炊きつけてもしゃ〜ないし!
「新八!ちょっと新ちゃん!!話が有るからコッチ来い!!!」
俺が呼び止めると、新八は心底軽蔑したような表情で、それでも素直に俺の方に寄ってくる。
「…なんですか…?僕、そういう趣味は無いんで神楽ちゃんをフォロー出来ませんけど…?」
「違うから、そ〜いうんじゃね〜って!!」
思いっきり否定しても新八の目付きは厳しい。
だから違うって!
…まぁ、それよりも…
「沖田君に会った。」
「…え…?」
新八が、驚いたような嬉しそうな、複雑な表情で俺を見る。
確か、もう随分と新八の前には…いや、それどころか俺たちの前には姿を現していない。
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