絶対無敵の王子様



銀ちゃんが変態から帰って来て何日か経っても、万事屋はいつもの通りヒマだった。

アイツにフられて一時はボロボロだった新八も少しだけ元気になって、ワタシも少しだけ安心したネ。
このまますっかり元気になって、やっぱり神楽ちゃんが良いや、って言ってくれると良いのに。
アイツの事なんて、すっきりサッパリ忘れちゃえば良いアル。

…でも…やっぱり新八はズットアイツの事想ってて…ワタシの事は、妹ぐらいにしか想ってくれない…
でも!やっぱりワタシは新八の事が大好きでドSのモノになるのなんて許せないヨ!!

何で今なんだロ…
きっとワタシだって、もう少ししたらバッキュンボンな美人になって新八をメロメロに出来るのに!
何で…


いつもと変わらないとある日、万事屋にエリーが来た。
いつもならヅラと一緒に来るのに、1人で来るなんて変なの。
そう思いながら新八がお茶を出したり話しかけたりしたけど、エリーはずっと黙ってて、メンドくさくなって、銀ちゃんが逃げた。

ホントマダオな、銀ちゃんは!

まぁ、ワタシと新八にかかればどんな事件もオチャノコサイサイだけどナ!

しばらくしてエリーが話しだしたのは(プラカードで)ヅラが居なくなった、って話だった。
血染めの所持品だけが残されてて…最近流行りの辻斬りにあったんじゃないかって…
そんな事を言いだしてエリーが泣き始めると、新八が喝を入れたアル!

…やっぱり新八は男らしくてカッコいいネ…!
心臓がドキドキ言って落ち着かないヨ!

それにやっぱりヅラも心配アル。
だからワタシは定春にヅラの所持品の匂いを覚えてもらって、匂いをたどってヅラを探す事にした。
きっと新八はエリーと2人で色々探してくれるネ。ワタシは信じてるヨ。

2人に声をかけて、ワタシは定春と一緒に走り出した。

匂いをたどる定春と一緒にずっと歩いてると、外はすっかり暗くなってしまったネ。
おナカもすいたし、今日は一旦万事屋に帰ろうと定春に声をかけると、ソコに座り込んで動かない。
前に見える船からヅラの匂いがするって…なんだろ、あの船?
ワタシがその場で考えていると、浪人風の若造どもが、誰だかがヅラを斬った、って話しながら歩いて行った。

…やっぱりヅラはあの船に捕まってるネ…アイツバカだからナ…
だから、ワタシが助けてやらなきゃダメアルヨ。

まぁ、1人で大丈夫だけど、新八が心配するからナ。
定春に船の場所を描いた地図を持たせて万事屋に帰して、ワタシは船に忍び込んだ。
とっとと終わらせて、美味しい新八の晩ご飯食べるネ!



ワタシにとって船に潜入するなんて簡単な事アル。
でも…思ったより大きな船だったから、ドコにヅラが捕まってるか分からない。
多分、船室の中だろうけど…

一応物陰に隠れながらそろりそろりと船室に近付いてると、包帯をグルグル巻いてボーッと空を見上げてるドンくさそうな船員を見付けた。
ラッキー!さすがワタシアル!
ちょっと脅してヅラの場所を聞き出そうとソイツにカサを突き付ける。

と…

振り返ったソイツはヒドクヤバイ匂いがした。
おかしなポエムみたいな事しゃべってくるけど、目が…ヤバイ…
早く逃げなきゃ…
でも…
逃げられないヨ…

その上、隙を伺ってるうちに仲間が来てワタシを狙撃したネ。
なかなかの早撃ちだけど、あんなのワタシの敵じゃない。
小粋なトークで気を逸らして蹴り飛ばす。
こんなヤバイ所、ヅラを連れてさっさとオサラバするネ!

隙を見て2人を振り切って船室に向かうといきなりサーチライト。
気が付くと、結構な人数に周りを取り囲まれていたネ…

チッ、こんなに仲間が居たアルか…

とりあえず目の前のザコをぶっ飛ばしつつヅラを呼んでると、さっきのシミパン女がワタシの肩と足を撃ち抜いた。

「ふんごをををを!!」

気合い一発。
ヅラはワタシが助けてやらなきゃいけないアル!
ワタシはアイツのリーダーだからナ!

動く方の手と足で、それでも船室を目指す。
追って来るヤツラはカサで撃ってやった。
でも、ソコでワタシが見たのはヅラなんかじゃなくて、変なガラスに入ったたくさんのの刀で…
ソレに気を取られてるうちに、不覚にもシミパン女に撃たれてワタシは捕まってしまったネ…


ごめん、ヅラ…
ごめん、銀ちゃん…
助けて…新八…



次に目覚めた時には、ワタシは両手を壁に固定されてた。
でも、バカども足はそのまま動くようにしてたんで、何かしようとするヤツラは全員蹴り飛ばしてやったネ!

ザコの他には…昨日のシミパン女と変態ロリコン野郎が居た。

コイツラは幹部っぽいネ…

でもまぁ、ワタシがどこぞの組織の回し者、とか思ってるようなバカだから、頭なんか使ってやる事も無いネ。
何回もヅラを探しに来た、って教えてやってるのにほんとバカアル。
そんなバカのクセに、偉そうにシミパン女が前に出てくるんで、必殺のたんじる攻撃をお見舞いしてやったネ。
ゲラゲラと笑ってやるとシミパン女がブチ切れたけど、変態が止めるから怖くも何ともないネー
更にせせら笑ってやると、シミパン女は生意気にもワタシの必殺技を真似してきたアル。

フッ、バカめ。ワタシに敵う訳無いヨ。

体中のたんじるを一点に集めて…くらえ!ワタシの超必殺技!
…ちょうどワタシ達の必殺技がさく裂した時に、船がグラリと大きく揺れた…せっかくのたんじるが変態にかかったアル…キモイ。

どうやらこの船が砲撃されたみたいで、シミパン女も変態もそれどころじゃ無くなったのか必殺技は封印した。
その上、何をどう勘違いしたのか、ワタシをその攻撃して来てる船の仲間だと思って交渉に使おうとかしたネ。
両手両足を十字の丸太にくくりつけられて、船の先に掲げられる。
でも、あんなヤツラ見た事も無いからナ。
当然船は関係無く攻撃されたヨ。