銀ちゃんの頭みたいになったソイツラをせせら笑ってやると、すぐに又砲弾が撃ち込まれて…って、ワタシがヤバいアルっ!!
流石のワタシだって、こんな状態じゃどうにも出来ないネ!!

こんなのないネ…もっと新八と…

もうダメだ、と目をつぶって衝撃に耐えようとしたけど、爆音は聞こえるのにワタシの体には衝撃は来ない。
それどころか、優しくて逞しい腕に抱きかかえられてる気がする…もう天国アルか…?


「お待たせ神楽ちゃん。」


…この声…おひさまの匂い…
それに、ワタシを女の子みたいに扱ってくれるのは…

「しっ…新八ィィ!!」

やっぱり…やっぱりそうネ…
新八は、ワタシがピンチの時は絶対助けてくれるヨ!

昔の組織に捕まりそうになった時も…
パピーに連れて行かれそうになった時も…
ドSと本気の喧嘩になりそうになった時も…
友達が居なくて1人ぼっちだった時も…

いつも、いつでも新八は助けてくれる。
…王子様…みたいアル…
絶対ワタシの運命の王子様は新八ネ!新八以外居ないネ!!

やっぱり…諦められないヨ…
本当は、怖かった、ってギューっと抱きつきたいヨ…
でも、ワタシは丸太にくくりつけられたままで…それが凄くもどかしい。
新八は丸太ごとワタシを連れ去ってくれてるから、重い、って思われてたらイヤアル…
それに、きっと新八はひ弱だから、このままずっとなんて持っていられないヨ…
だって、傾いた船を駆けのぼる形相が大変な事になってるヨ。

「助けにきといてごめん神楽ちゃん…助けてェェェェェェ!!」

あーあ、新八叫んじゃった。

きっと又良い所で銀ちゃんが助けに来るネ…
そう諦めてたのに、いつまで経っても銀ちゃんは来ない。

新八だけ…アルか…?
銀ちゃんなんで来ないアル?

気になって銀ちゃんの事とヅラの事を新八に聞いたら、表情が変わる。

…どうしたネ…?

「新八」

ワタシが追求しようとすると、又砲撃にあって…ワタシは新八の腕の中から飛ばされてしまった。

「ヤダっ!新八!新八と離れたくないヨ!」

空中で無理矢理体勢を変えて新八の方に手を伸ばすと、がっちりと掴まれる手。

「神楽ちゃ…絶対…助けるからっ!」

むごぉぉぉぉ、と気合を入れてるけど、このままじゃ新八も一緒に落ちちゃうネ!そんなの…ヤダ!!

「新八ぃ!手、離すアル…このままじゃ…オマエまで落ちちゃうヨ…ワタシ、新八を巻き込みたくないネ!!」

「馬鹿な事言うなっ!絶対…絶対、神楽ちゃんは僕が助けるっ!!」

新八ぃ、真剣な顔もカッコいいヨ…
でも、新八の力じゃ…このまま2人とも落ちて死んじゃうヨ…
ワタシは…ワタシは…

やっぱり新八とずっと一緒に居たいネ!

グッと力を込めて手を握り直すと、新八がズルル、と滑り落ちてくる。

あ…このままじゃフタリとも死んじゃう…
握っていた手をワタシが離すと、痛いくらいの力で握り直される…新八ぃ…

「馬鹿っ!離すな!!」

「だって…」

ワタシは新八に死んでほしくないヨ…
なにがどうなろうと新八を助けたい。絶対に…!

もう1回手を離そうとしたら、急に新八の身体が浮かび上がる。

「エリザベス!!」

ワタシ達を助けてくれたのは、いつの間にか船に入り込んだエリーで…
なんだヨ…ワタシが居ない間にずいぶんと新八と仲良くなってるじゃねーかヨ…なんか、ムカムカする…
ジロリとエリーを睨むと、すぐ後ろに包帯を巻いたヤバイ男…
声をかける間もなく、エリーはソイツに真っ二つにされてしまった…

「エリザベスゥゥゥ!!」

新八の悲痛な叫び声に反応したのか、まだ体が真っ二つになったのに気付いていないのか、それでもエリーは立っていた。
そして、包帯野郎がブツブツと何か言ってるのに反応した声は…

髪が短くなったヅラだった。

…エリーの中に居たとは良い根性アル…
散々ミンナに心配かけといて、何普通に現れてるネ…

ヅラが刀でワタシの手枷と足枷を斬ってくれたんで、新八と一緒にゆらりと立ち上がる。

まず、ワタシがバックドロップを決めた。

すぐに、新八が丸太でヅラを殴った。殴った殴った。

それでもワタシ達の怒りは伝わらなかったのか、ヅラはグダグダと文句を言ってきた…んで2人で足を掴んで振り回してやった。

やっぱりワタシ達、気が合うネ!
新八となら、最高のカップルになれるヨ!

そう考えると楽しくって嬉しくなってたのに、ソコに船が突っ込んできて、エリーを先頭にヅラの仲間達が駆け寄ってきた。
大人なのに…ミンナ顔をぐっちゃにして泣いてるネ…
ミンナ、ヅラを心配してたネ。
本当にダメなヤツアル。